地域と作る民間施設「MUFG PARK」

廣田 亜希子

西東京市に新しい施設ができる! あの芝生がきれいなグラウンドの!? 西東京市民のみならず、周辺住民が色めき立ったニュースから、はや2年。2023年6月26日に
「MUFG PARK」がグランドオープンしました。 

 西東京市柳沢4丁目にオープンした「MUFG PARK」は、MUFG(三菱UFJフィナンシャルグループ、本社:東京都千代田区)が、福利厚生施設として所有していた土地・施設を活用して地域にひらいた新たな施設です。民間企業が社有地を地域に開放する、全国的に他に例を見ない取り組みです。
 このパークの構想は4年前から始まり、社員研修や行事で多くの社員が訪れた思い出の場所を大切にしたいという思いから、社会貢献の形を考えて人が集まる場として開くことに。担当者は「長い年月をかけて大切にしてきた武蔵野の自然、緑豊かな空間を残し、地域に開くことで、次の世代への財産として残していこうと決めた」と語ります。
 敷地面積は約6ha。西東京市最大の市立公園・西東京いこいの森公園(4・4ha)よりも広く、敷地全体に木々の緑が豊かに繁り、スポーツ施設やコミュニティスペース、ライブラリーが設けられています。

持続可能な環境・社会の実現に向けた取り 組みの一環として開いた「新しい交流広場」

 当施設がある西東京市柳沢4丁目は、西東京市の南端にあり、住宅街と小・中・高・大学がある閑静なエリア。小金井市・武蔵野市に接し、メインゲートは武蔵野大学入口交差点に面しています。隣接する武蔵野大学との間には深大寺街道、南側には千川上水が流れています。
この土地は、昭和中期まで葭窪北台(ヨシクボキタダイ)という名が残っていました。長い間林地でしたが、1952(昭和27)年に切り拓かれ「千代田銀行武蔵野運動場」として開場。その後、69年間は社有地としてこの地に存在してきました。そのため2021年5月に発表された「パーク開園予定」のニュースは、地域を駆け巡り、驚きと歓迎の声が上がりました。

まちライブラリー

旧保谷市南端の「運動場」が大変身

 当施設がある西東京市柳沢4丁目は、西東京市の南端にあり、住宅街と小・中・高・大学がある閑静なエリア。小金井市・武蔵野市に接し、メインゲートは武蔵野大学入口交差点に面しています。隣接する武蔵野大学との間には深大寺街道、南側には千川上水が流れています。
この土地は、昭和中期まで葭窪北台(ヨシクボキタダイ)という名が残っていました。長い間林地でしたが、1952(昭和27)年に切り拓かれ「千代田銀行武蔵野運動場」として開場。その後、69年間は社有地としてこの地に存在してきました。そのため2021年5月に発表された「パーク開園予定」のニュースは、地域を駆け巡り、驚きと歓迎の声が上がりました。

右側に千川上水が流れる

地域と作る「場」

 社有地である運動場を地域にひらく第一歩として、2021年5月に西東京市と協定を結び、地域とともに毎月プレイベントを行ってきました。
 プレイベントには子どもから大人まで、近隣住民や地域で活動する個人・団体が参加。スポーツイベントや内覧会、園内に残されていた武蔵野の豊かな自然環境を知る企画などを通じ、近隣小中学校のおやじの会や、高校生・大学生、農家も参加し交流。この場に親しみながら、互いの交流を少しずつ深めてゆきました。

オープニングイベントで出展した西東京市のアンテナショップ「まちテナ西東京」

ご近所さんの声

 これまで交流イベントに参加してきた人たちは、「園内を歩いて見学し、お話を聞いて素晴らしい施設だと思った。思いきり体を動かせる場ができて嬉しいし、市民が使いやすいような形になったらもっと良い。地域住民が繋がる企画にも期待!」「まちライブラリーに期待しています。緑地の中のライブラリーで、利用者の感想を読んだりするのは、イメージするだけでも楽しい。ボランティアスタッフになって関わっていきたい」と話します。

プレイベントの様子

地域に開き、社会が進む力に

 敷地の東側には都立東伏見公園、西側には都立小金井公園があり、独自にコンセプトやメッセージを持つこの場は、地域のシンボルとなるでしょう。新たな交流施設として公的意義を持つ一方で、民間施設としての文化や発信力に期待する声もあります。人々の交流拠点になり、様々な原動力に繋がるこの場所を、利用者も大切にし、互いに活かしあう関係を築きながら、次世代につなげていきたいものです。

【まちライブラリーとは】
それぞれの大切な、思いがある本を持ち寄り、メッセージを書いたカードを添付して寄贈。本を読んだ人は続いてカードに感想を連ねていき、読んだ人を想像することで、本からつながる関係が生まれます。人が集まる場や店に設けられる所もあり、例えば西東京市にある駄菓子屋ヤギサワベース(西武柳沢)のまちライブラリーは、手塚治虫や藤子不二雄、横山光輝などの昭和の漫画が多く集まっているなど、その場に集まる人により個性が異なるのも魅力です。

【本でつながるコミュニティ】
「運動が目的ではない人も、ここで気持ち良く過ごせるようにしたい」という担当者の思いから、「まちライブラリー」をパーク内に設置。本の貸し借りだけでなく、本に関するイベント企画など、単に静かに本を読むだけではない、本を介したコミュニティ形成の場です。1万5000冊規模の本を所蔵できるほか、市民協働のアイデアでうまれた「タイムカプセル本箱」が本棚上部にディスプレイされています。

住 所〒202-0022 東京都西東京市柳沢4丁目4−40
時 間通年 8:00~18:00(※季節・施設により開園時間に変動・変更があります。)
まちライブラリー休館日月曜日・火曜日
H Phttps://www.mufgpark.mufg.jp/
備 考グラウンド、テニスコート(クレー/オムニ)、及びBBQ施設は、要予約(有料)。まちライブラリーは、開館時間内なら誰でも自由に入室・閲覧可能(10:00〜)。施設の開園時間や有料施設などの詳細・予約はホームページへ
著者
廣田 亜希子
ライター
西東京市歴19年(射手座)。伝説のライターチーム・ままペンシルを立ち上げたのち、企画・編集・ライティングを行っている。ラジオ番組ディレクターやアンテナショップ「まちテナ西東京」副店長を経て多摩六都科学館勤務。5市の魅力を発見・発信するプロジェクトを企画・担当。メディアを問わず、地域の定番とマニアックな両面にフォーカス。「842PRESS」では巻頭特集、マニアックスページなどを担当している。
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